先日、このようなネットニュースを見ました。
この流れで、合理的配慮の話を出すのは問題でしょ?と個人的に思いました。
これは、明らかに合理的配慮の範疇を超えています。てか、合理的配慮にすらなりません。
イオンシネマを運営するイオンエンターテイメントは3月16日、映画館を利用した来館客に対し、従業員が不適切な発言したとして謝罪文を発表した。
イオンシネマを利用した車椅子ユーザーが、映画の鑑賞後、スタッフから今後は別の劇場を利用するよう伝えられたという趣旨の投稿をSNS上で出したところ、イオンシネマ側の対応を巡り議論を呼んでいた。
同社は、【弊社従業員による不適切な対応に関するお詫び】と題する文書を発表した。 イオンシネマシアタス調布のグランシアターで、来館客の映画鑑賞後、従業員が移動の手伝いをする際に不適切な発言をしたことが判明したと報告。「楽しみに当劇場にお越しいただいたにも関わらず、不適切な対応により大変不快なお思いをさせてしまいました」と述べ、謝罪した。
同社は今回の件を重く受け止め、「従業員へのお客様対応の教育再徹底と再発防止策を講じると共に、設備の改善を進め、お客さまの信頼回復に努めて参ります」としている。
改正障害者差別解消法の施行により、4月1日から、障害のある人への合理的配慮の提供が企業や店舗などの事業者に義務づけられる。
今回は、改めてこのニュースで述べられている合理的配慮について個人的な考えを含めて記事にします。
以前、当ブログでも以下の、合理的配慮についてまとめた記事がありますので、こちらを前提として話を進めていきます。
また、同じよう車いすユーザーとの実例問題があったので、以前紹介した記事も併せてリンクを付けておきます。
ニュースでは、詳細が語られていなかったので追記事項として何があったのか、概要を整理したいと思います。
車いすユーザーの方が、映画館へ行きスタッフに『車いす用の席ではなく、一般席のシートへスタッフに介助させ、座席に移させた』ということです。映画鑑賞後は同様に、逆の介助をさせたことは容易に想像できます。
そのことに対し、劇場スタッフから「もう来ないでください」のようなことを言われた。
さらに、その一連の流れを車いすユーザーがSNSにUPしたことが発端でした。
この事を受け、映画館側は謝罪のコメントを出したとのことです。
一部では車いすユーザーの以前からの行動に問題視している方もいますが、この記事では映画館のケースを基に合理的配慮について綴っていきます。
このケースでは、はっきり言えば両者に問題があります。
まずは、劇場スタッフに対しては、気持ちはわかります!気持ちはわかりますがこのようなことをさせられたことに対し「もう、来ないでください」というようなことを発してしまったことに関してまず問題でした。
この場合は、「今後はこのようなことは対応しかねる」というようなことをはっきりと伝えることが良かったと思います。その後、利用するか否かは客が考えることなので・・・
そのため、映画館側が謝罪するのはやむを得ない状況です。
そして、今回車いすユーザーのニーズについてですが、個人的にはこれは『わがまま』に入ります。
劇場内の車いすユーザーの方の行動が配慮を求めるに対しては、明らかに一方的過ぎるからです。
劇場には、車いす席というのを用意されています。車いすユーザーはこのスペースを利用することを前提として売買契約をとっていることになります。さらに、障がい者割引もその分を含めての適用となります。
それを、「一般席で見たいからスタッフが介助して連れっててよ」というのは『わがまま』です。
もし仮に、一般席での鑑賞を希望するのであれば、介助者を同行するという前提で一般席でも鑑賞しても良いかを事前に映画館に問い合わせた上で、可能であれば介助者のみでスタッフが見守りのもと一般席を利用するのが合理的配慮という形になります。問い合わせて、それでもだめなら可能な映画館を利用者が探すということをする。
そもそも、劇場で車いすの席を決めているのは、移動の制限の問題もありますが、客の安全性を考えての配慮があるということを、利用者も考えなければいけません。
個人的には、今回の件に関しては、車いすユーザーの方の『わがまま』から始まったケースだと考えます。
さらに、大きな問題としてこの『わがまま』に対して、ニュース記事の最後に合理的配慮の義務化を結びつけるのは大変危険な考え方です。
この件に関しては、明らかな非合理的配慮です。
この非合理に、合理性を結びつけることは間違っていると思います。
この記事を読んだだけだと、障がい者のニーズを全面的に受け入れることが合理的配慮というような記事になっています。
記者は、合理的配慮についてもう少し学んでから記事にするべきだったのかなと残念に思いました。
このように、間違った認識で合理的配慮が広がれば、結果としてこれだから障がい者は・・・とか思われることになってしまうと思います。
似たようなケースで、過去にも何度も同じようなことがありました。
すでに今回の件でも、賛否?両論巻き起こっていますが・・・
ということで、今回は事例を基に合理的配慮とわがままについて見直してみました。
改めて、簡単に合理的配慮とはお互いができる限りのことをして相手を考え合理的に配慮し合うことである。
一方的なニーズの押しつけはただの『わがまま』である。
今まででも、障がい者というだけで腫物を見るようなことを幾度も経験しました。前回の記事でも少し綴りましたが、障がい者は割引がたくさんあってズルい卑怯だということをSNSに挙げている人が意外と多いという記事を見てそう考える『健常者』がいることを認識していました。
このようなところからも、『健常者』が『障害者』に対し快く思っていない人も一定数います。この記事においては、わがままを言った人が良く、頑張ってそのニーズにこたえたスタッフが悪いというだけの内容になっています。少なくともそうとれるような記事です。そのため、この記事のコメント欄も同様の意見を多数見かけました。
この記事は、障がい者を思っての記事なのかもしれませんが、人に訴えるには逆効果の内容です。むしろ、障がい者を陥れたいのかと思わざるを得ません。
前回も、今回も偶然車いすユーザーの問題でしたが、このような問題は数多く存在してます。
特性がある人の中には、特性が・障がいがあるから何でも優遇されても良いというように勘違いをしている人も一定数います。思うのは自由なので何も言うことはありません。
しかし、そのことを他者へ強要するのは別の事だと思います。障がいがあるなしに関係なく、お互いがお互いを想って配慮し合うことが合理的配慮です。
今後も、合理的配慮は正しく互いに認識できるように広まってもらえればうれしいです。
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